『 高級宿より安い宿の方が温泉が良い 』 という理由

さて、過激で大胆な事を言いましたが、実は結構的を得ているのです。


理由① 高級宿は風呂が大きいから。また風呂数も多いから。

       温泉の源泉湧出量は限られています。
       大きなお風呂をかけ流しにするには、相当な量の源泉を引かなくては
       なりません。  風呂の数が多い場合も同じです。

       このため大きな風呂が多く、風呂の数も多い高級旅館は、安宿の
       小さな風呂よりも、源泉かけ流しを実現するのが難しく、循環併用
       や循環、または加水・加温でしのぐ例が多く見受けられます。

       同じ温泉街でも、大型高級旅館が循環なのに、ちいさな安宿が
       源泉かけ流しという例は、たくさんあります。

       * 源泉の引き湯について強い権限を持つ高級老舗旅館など、例外も
         あります

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理由② 高級宿は後から入ってきた宿も多いから

       〇〇ホテルなどの、温泉街に後から入ってきた大規模なホテル・旅館
       は、本来の温泉の引き湯が十分できず、循環で凌いだり、加水・加温
       したりする例が目立ちます。  
       また地下深くボーリングして無理やりくみ上げた温水を温泉と称し
       て、温泉宿を営んでいるケースがあります。  温泉と称して・・・
       と言っても、詐欺だとは言いません。 実際に風呂場には温泉分析
       表を掲示しているのですが、どうしても温泉と感じられないものが
       殆どです。
       専門家によると、『 地下深くボーリングすれば東京でも大阪でも日本
       国内の殆どの場所で温水は出る。 その温水も何がしかの成分は
       交じっているので、温泉と認められるケースは多い。 』 と、白骨温
       泉事件が有った際に、テレビ番組で語っていました。

       ちなみに、私は伊香保温泉温泉は、数か所の宿に泊まりましたが、
       古くから湧き出ている金泉の湯の宿では満足しましたが、新たに
       掘り出した銀泉の湯の宿では満足できず 『 まるで銭湯に入って
       いるような気分 』 でした。

       同様の例は、含鉄泉で茶色 ( 金泉と呼ばれる ) になる伊香保
       温泉のみならず、乳白色の湯の出る温泉地でも、透明な温泉
       地でもある話です。
    
       温泉初心者の方は、関東が近い方なら伊香保温泉で、関西が
       近い方なら有馬温泉で、ぜひ金泉と銀泉の違いを比べてみて
       下さい !     本物温泉への理解が一挙に深まります。

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理由③ 安い宿なら 『 山の中の一軒宿 』 も存在するが、
      高級宿は 『 温泉街 』 に存在する場合が多いから


       日本秘湯を守る会という温泉宿の会があります。ここで紹介する
       温泉宿には、山の中に一軒だけ営業している宿が多くあります。
       それらの宿は当然に源泉を独占しているため、殆どの宿が源泉
       かけ流しです。  またそんな宿には古びている宿や、簡素な宿
       も多く、安い料金で利用できます。

       一方、高級宿は歓楽街のあるような温泉地に存在することが多く、
       必然源泉獲得競争が熾烈になります。 数十年も前の話ですが、
       『 鬼怒川温泉の高級旅館は、鬼怒川の水を沸かして温泉と称し
       ていた 』 とテレビで放送されたこともあります。

       ことほど左様に、温泉街の高級宿で本物の温泉に出会うのは
      意外と難しいものなのです。 反対に安い宿が多い、山の中の
      一軒宿では源泉かけ流しの本物温泉に出会う確率は、とても
      高くなるのです。
       
     
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